認知的技法の紹介

 

◇ 認知再構成法  

 まず、認知的技法の代表格である認知再構成法について、お話ししましょう。

 

(以下、引用)認知再構成法では、気持ちが動揺したときにどのような考えが頭に浮かんでいたかを振り返ってみます。そのように瞬間的、自動的に浮かんでくる考えのことを自動思考と呼び、その自動思考に現実の受け取り方や考え方が反映されています。さらに、自動思考はその人の気分行動に大きな影響を与えます。

 

 気分が落ち込んでいるときには、「自分は何もできないダメな人間だ」、「友達は自分のことをウザイと思っているに違いない」、「これから先も、ずっとつらいことが続くだろう」といった考えが浮かんでいるものです。そうネガティブに考えるとつらくなるのですが、認知再構成法ではそのとき、その考えがどの程度現実的なものかを、もう一人の自分を使って点検するのです。

 では、どうやって点検していくかを見てみましょう。

 

①「そう考える根拠を考えてみよう」(根拠と反証を探す)

 気持ちが動揺したときに、自分が考えていたことを丁寧に見返し、そのように考えて現実的な根拠と反対の事実を探していきます。

「いったい何を根拠に自分はこのように考えたのだろうか」「それを裏付ける事実はどのようなものがあるのだろうか」「逆の事実はないだろうか」と自分に問いかけることで、思い込みから少しずつ解放され、現実的でバランスの良い考え方ができるようになり、視野が広がってきます。

 

②「どんな結果が待っているかを考えてみよう」(結果について考える)

 どうしても自分の判断が正しいように思えるときには、第二の呼びかけ、つまり結果についての質問をしてみます。「それが本当だとして、どんなひどいことが起こるんだろう」「それはどの程度重要なのだろう」「違った行動をすれば、何か困ったことが起きるのだろうか」と考えてみるのです。このように自分自身に問いかけることで、客観的に考えられるようになりますし、現実的な対処法を見つけやすくなります。

 

③「別の考え方をしてみよう」(代わりの考えを探す)

 最後に、これまでの二つの呼びかけをもとに、いままでの硬直化した考えから解放された現実的で柔軟な考え方を見つけだすようにします。このようにして考え方のバランスを取っていくときに非機能的思考記録表というコラム(困った状況とその状況下での気持ち、その気持ちについての根拠と反証を書き込む)を使って考えを整理すると、気持ちが楽になる人が多いことが分かっています。 (続きを読む)